湯出七滝の謎解き(湯の鶴温泉)

湯出七滝の小滝の写真

こんにちは、あきのすけです。
秋の連休を利用して、熊本県水俣市の湯の鶴温泉へ湯治に出掛けました。
山の中の温泉で、心も体も癒してもらいます。

この湯の鶴温泉の近隣の観光スポットに「湯出七滝」があります。
湯出川支流の芦刈川の下流から順に座頭滝、のれん滝(母滝)、小滝、唐滝、赤水滝、大滝、箱滝で7滝。
この中で唐滝と赤水滝は所在不明だそうです!?
今日は2021年9月19日の日曜日。
2~3日前に九州北部を通過した台風に伴う雨の影響もあって水量が増しているはずなので、細心の注意を払って散策することにしました。

水俣市の中心部から南東へ延びる県道117号線へ。
小さな商店街の街並みを抜け、肥薩おれんじ鉄道の踏切を渡り、新幹線の高架橋下を通過する頃には、緑と自然がいっぱいの風景に囲まれます。
その高架橋からさらに6km川沿いを進むと、芦刈橋の手前に左の亀嶺峠と中尾山公園へ向かう丁字路と道路標識があります。
入り口の角に湯の鶴温泉一帯の観光案内図もあり、ここから曲がって東へ500m進むと右手に座頭滝の案内板があります。

湯の鶴温泉観光案内図の写真
丁字路にある湯の鶴温泉一帯の観光案内図 、地図は上が南です

座頭滝 落差5m

座頭滝入口の案内板の写真
車道脇の座頭滝の案内板、すぐ横に遊歩道の入り口があります
座頭滝の写真
座頭滝

座頭滝は湯出七滝の中で一番下流にあります。
車道が狭いので近くに駐車は難しそう。
案内板の脇の遊歩道を下りていくと、難なく川べりに達し、すぐに座頭滝と対面。
ベンチなどが整備されています。
今日は水量が多いのか飛沫で濡れていました。
写真では滝の手前に流木が邪魔をしていますが、あえて手を出さず、ありのままを撮影しました(泣)。

のれん滝(母滝) 落差5m

のれん滝入口の案内板の写真
のれん滝の案内板、奥の遊歩道を下っていきます
のれん滝(母滝)の写真
のれん滝(母滝)、写真の下の方に怪しいキノコが

座頭滝の案内板から車道を道なりに300mほど進むと、左カーブの右側にのれん滝の案内板があります。
ここには車2~3台を駐車できそうなスペースがあります。
緩い斜面なので、駐車する場合はタイヤに輪止めの石などを噛ませた方が安心です。
奥の遊歩道の階段を下りていくと、すぐにのれん滝が目に入りました。
別名は母滝(ぼたき)。
私が訪れた時は、周囲に赤いキノコが生えていました。
滝の上に橋があり、渡った先に小滝へ向かう遊歩道が続いています。
ベンチもあり、ここまでだったら普段着でもOKかな。

小滝 落差9m

林道分岐地点の写真
林道を進み橋を渡った分岐地点、ここから左の石畳を進みます
小滝の写真
小滝

のれん滝から小滝の矢印に従って遊歩道の階段を上ると、一旦林道に出て舗装路(コンクリート)を歩くことに。
林道を進むと、しばらくして沢の右岸へ、次に再び左岸に戻った所に分岐がありました。
小さな四輪駆動車やバイクだったら、林道を使ってここまで来れるかもしれません。
ここから左へ沢沿いに進みます。
たまに石畳みたいに石が敷いてあり、古くから人が往来していた雰囲気があります。
先ほどの分岐から歩いて5分で目の前に小滝が現れました。
小さくなく、とても立派な滝です。

大滝 落差30m

水俣市商工観光振興課の案内板の写真
小滝と大滝の間にある案内板、右下に唐滝と赤水滝は所在不明と書かれています
大滝の写真
大滝

小滝から遊歩道を一気に上り、沢沿いに進んで行きます。
この小滝と大滝の間のある水俣市商工観光振興課の案内板の右下枠内に、七つの滝の内、唐滝と赤水滝は所在不明とあります。
地図には本流から離れた左岸に二つの滝の名前が書かれていますが、案内板記載の内容によると本流の中とも取れる書き方。
他の滝と丸の色が違うことに意味があるのかな?

見事な板状節理を抜け、息を上げながら湯出七滝の中で最大落差の大滝に到着。
小滝から大滝までの所要時間はゆっくりのペースでも15分ほど。
雨上がりで水量が多く、見た目もさることながら、瀑声が周囲に響いています。
大滝を眺めた後、箱滝まで足を運びたかったのですが…今夜宿泊する湯治場に伝えてあった到着予定時間まであと30分を切り、今日はここまで。
足早に歩いてきた道を戻りました。

箱滝 落差7m

箱滝入口の案内板の写真
北側の農免道路にある箱滝の案内板
箱滝の写真
早朝の箱滝

次の日の朝、早めに湯治場を出て、車で北側の農免道路を経由して箱滝の近くまで行き、案内板の脇に駐車。
路肩に寄せることにはなりますが、車1~2台分のスペースがあります。
案内板の脇から立派な砂利道を進み続けると…なぜか鬱蒼としたヤブに突っ込みます。
沢の音は聞こえているのでもどかしいですが、草が覆っていて前に進めません。
砂利道を引き返し、どこかに目印がないか注意深く歩いていると、途中で踏み跡を見つけました!!

最初に戻って説明すると…道路脇の案内板から砂利道を進み50m進んで緩やかな右カーブ。
次に50m進んだ左カーブの右側に踏み後がありました。
しばらく分け入るとピンクのリボンやテープが。
ここまで来ると踏み跡と言うよりは登山道のように道がはっきりしてきて、左手に沢が見えてきます。

上流からなので箱滝はいきなり現れました。
滝の上から滝壺を覗き込むと、高さと薄暗い雰囲気でちょっと恐怖を感じます。
上からだと箱っぽさが分かり辛いので、道を下って滝の下へ回ります。
石を伝いながら近づきますが、雨の影響で水量が多く、少し手前で写真撮影。
確かに箱に囲まれたような、とても不思議な空間です。

所在不明の唐滝と赤水滝について

これで湯出七滝の内、所在不明の唐滝赤水滝を除く5つの滝を巡ることが出来ました。
実は今回、 雨の後に来たことには理由があって、もしかしたら普段水量が少なくて分からなくなっている唐滝赤水滝を見ることが出来るのでは…と期待しての滝巡りでした。

結果、実際に足を運んでみても、それらしい滝を目にすることは出来ませんでした。
そもそも案内図にある左岸ではなく、本流や右岸にある滝かもしれませんし。
今となっては、最初に名前を付けた方に聞く訳にもいかないので、一つの謎解きとして心に留め、また時間を作って巡りたいと思っています。

最後に…私が想像する唐滝と赤水滝について

唐滝(からたき)は、もともと空(から)っぽの滝「空滝(からたき)」ではなかったのかと。
地図の等高線を見て、左岸の滝がありそうな場所がいくつか推定できますが、実際に確認しても水の流れはわずかでした。
昔は長雨の後になると決まって現れる滝で、普段は空っぽの段差だったのかも。
数字「七」にこだわって架空の滝を入れたのでは…とも考えましたが、歩いてみると川の段差は至る所にあり、わざわざ数字合わせに存在しない滝を足す必要はなさそうです。

赤水滝(あかみずたき)は、大滝の南50mの所にある箱滝へ向かう遊歩道の西側の脇の沢のことでは。
理由は、水の成分の影響なのか、コケ(地衣類)の種類が原因なのか、赤味を帯びた堆積物の地層が上流にあるのか分かりませんが、単純にこの沢には赤~赤茶色に見える石がよく見受けられたので。
今は崩れていますが、以前は段差があったかもしれません。
案内板の赤水滝の位置もそんな感じに見えなくもない?
とは言え、昔の記録文書でも出てこない限り、両方とも永遠の謎なんだと思います。

今回、私なりに所在不明の2つの滝に挑んでみました。
皆さんも体力維持と森林浴、加えて謎解きの楽しみもある湯出七滝へ、ぜひ足を運んでみてください。
湯治に訪れた湯の鶴温泉は、最高に泉質のいい温泉でした。

大滝の南にある沢の写真
大滝の南50mの所にある箱滝へ向かう遊歩道と脇の沢

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